ATR-FUV
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ATR-FUV 遠紫外分光装置

関西学院大学・倉敷紡績株式会社・農研機構食品研究部門との共同開発

 

窒素パージ型分光器を使用し、減衰全反射法(ATR法)を用いることで、従来では測定が出来なかった遠紫外領域(波長145~300nm)の液体の遠紫外スペクトルが測定出来る装置です。

 カタログ(PDF)  

 

特長

 

  • 波長145~300nm(遠紫外領域)での液体の透過スペクトル測定ができます。

 

  • 窒素パージ型分光器採用で、高分解&高安定を実現しました。

 

 

 

遠紫外領域とATR法

 

減衰全反射法【Attenuated Total Reflection(ATR)】とは・・・

 全反射の際に反射素子表面から僅かに浸み出すエバネッセント波という光を用いて吸収スペクトルを観測する方法です。光の浸み出し深さが波長程度と非常に短いのが特徴です。

 

 

測定データ

遠紫外領域(145nm~)の水の吸収係数は非常に大きく赤外のO-H伸縮振動バンドの10倍以上の強さで、100nmのセル長でも吸光度は1を超えてしまう程度です。本装置は減衰全反射法(ATR法)を利用し、

世界で初めて水のA←X~遷移吸収バンドの温度変化を観測可能としました。

 


 

 
これまでは気相の研究に用いられることがほとんどであった遠紫外分光ですが、減衰全反射法(ATR法)を利用することによって、これまで測定されていなかった液体、固体への適用が可能となりました。

 

参考論文

・分析化学/60巻(2011)1号 p.19-31 遠紫外分光法による水及び水溶液の分析 https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/60/1/60_1_19/_article/-char/ja

池羽田 晶文,後藤 剛喜,森澤 勇介,東 昇,尾崎 幸洋

 

・分析化学/66巻(2017) 5号 p.319-331 遠紫外分光の新しい応用

https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/66/5/66_319/_article/-char/ja

田邉 一郎,後藤 剛喜,森澤 勇介,尾崎 幸洋

 

 

仕様

 光源

 重水素ランプ 30W
 測定波長領域  145~300nm
 測定項目  ATR測定(入射角度 35°~75°)
 測定再現性  0.1nm以内
 測定方式  セミダブルビーム方式
 検出器  サリチル酸ソーダ窓付光電子増倍管
 表示の設定

 スケール(縦軸・横軸)、トレース(カーソル移動)

 スムージング、四則演算、1次~3次微分

 データ処理

 ピーク処理(ピーク検出・ピーク高さ・ピーク面積・データダンプ)

 

 

標準構成

 

●重水素ランプ 30W
●重水素ランプ電源
●KV-200 窒素パージ専用分光器(90° 縦型配置)
●試料室
●ATRプリズムホルダ
●サリチル酸ソーダ窓付光電子増倍管
●光電子増倍管高圧電源
●コントローラ(波長駆動・フィルタ切換)
●ソフトウェア
●制御コンピュータ
●取扱説明書

 

 

オプション

 

●透過測定ユニット(入射90°透過)
●各種プリズムホルダ
●各種回折格子
●サリチル酸ソーダ窓板

 

 

構成図

 

①重水素ランプ

②重水素ランプ電源

③分光器

④試料室

⑤ATRプリズムホルダ

⑥検出器

⑦コントローラ

⑧ノートPC

⑨通信ユニット


 

外形寸法

 

●本体:約W1200×D900×H1450mm
●重量:約400Kg
●窒素配管:IN    Swegelok1/4

     :OUT Swegelok3/8

 


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