BIP-M25
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BIP-M25 イオン化エネルギー測定装置 (6.2~3.1eV 床置き架台タイプ)

有機ELや有機薄膜太陽電池などの有機半導体材料において、イオン化エネルギー(イオン化ポテンシャル)や仕事関数を求めることは非常に重要です。
一般的にイオン化エネルギー(イオン化ポテンシャル)/仕事関数の測定は、UPSやXPSなど光電子分光法が用いられていましたが高真空雰囲気でしか測定が出来ず、有機デバイスは雰囲気の影響が非常に大きい為、様々な雰囲気ガス下での測定が求められてきました。“BIP-M25イオン化エネルギー測定装置”は、光電子収量分光(Photoelectron Yield Spectroscopy  PYS法)を用いることで、窒素・大気・真空の雰囲気下においての測定が可能となりました。測定波長領域を200~400nm(6.2eV~3.1eV)に限定することで、従来の真空紫外タイプ(BIP-KV201)に比べ、低価格を実現しました。

 

 カタログ(PDF)

 

測定法

 

光電子収量分光法(PYS法)

単色光を試料に照射し、そこから放出される光電子の収量を電流として測定し、励起単色光の波長を掃引して光電子の収量の変化からイオン化エネルギー(イオン化ポテンシャル)を検出します。

 

 

特長

 

  • 試料雰囲気を大気、窒素、真空下でイオン化エネルギー(イオン化ポテンシャル)や仕事関数を測定する装置です。

 

  • 測定領域を6.2~3.1eVに限定することで、低価格を実現しました。

 

  • 微小電流計を使用し、高感度を実現しました。

 

 

測定データ

 

 

測定項目

 

①バックグラウンド測定:
  光電子増倍管で試料に照射する光を前もって測定しフォトン数を算出する。

 

②サンプル測定:
 試料に電子が放出されやすいよう電圧を印加しながら各波長の光を照
 射して、放出されたエレクトロン数を電流から算出する。

 

③イオン化エネルギー(イオン化ポテンシャル)のデータ処理:
   Y ∝ (hν-I)n
     Y = 計測した放出エレクトロン数/照射フォトン数
   h プランク定数
    ν 振動数
     I  閾値
     n 試料の占有状態の上位のエッジにおける電子密度に依存する
       パラメーター n は2 か3 のみ選択可。 


 

自動シーケンサー

 

 

 

仕様

 

 測定波長範囲  6.2 ~3.1eV(200~400nm)
 最小測定間隔  0.01eV
 測定時間  光量測定:1sec/point     光電子収量測定:3sec/point(標準測定において)
 繰り返し精度  ±0.05eV以内(イオン化エネルギー測定値)
 試料室雰囲気  大気・窒素・真空対応可
 照射光面積  約1×3mm(スリット及び縦絞りによる)
 試料の配置  水平置き 試料セット数1個
 測定試料サイズ

 最大60×60mm・最小10×10mm 厚み4mm以内

 試料種類  金属・半導体(粉末・薄膜・材料破片など)
 光電子収量測定器  微小電流計(サブフェムトアンペアリモートソースメータ)
 照射光量測定器および検知器  電圧源内蔵ピコアンメータ・光電子増倍管
 ソフトウェア制御機能  分光照射部制御、光電子測定機能、イオン化エネルギー(仕事関数)の算出機能
 ソフトウェア保存機能  データバイナリ保存および再表示機能、テキスト保存
 制御コンピュータ  ノートPC Windows10

 

 

標準構成

 

●重水素ランプ 30W
●重水素ランプ電源
●分光器(大気専用タイプ)
●高次光カットフィルタ
●照射光学系
●試料室(大気・窒素・真空対応)
●試料ホルダ
●照射光量測定用光電子増倍管
●照射光量測定用電圧源内蔵ピコアンメータ
●光電子収量測定用微小電流計
●コントローラ(波長駆動・フィルタ切換)
●自動シーケンサー(真空引き・真空リーク・窒素置換)
●真空ポンプ(多段ルーツモータ式ドライ真空ポンプ・複合分子ポンプ)
●ソフトウェア(Windows10版)
●制御コンピュータ ノートPC  Windows10

 

 

外形寸法

 

●本体:約W1070×D700×H1150mm
●重量:約350Kg


 


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