分光器

 

分光器(モノクロメータ)とは、光を波長毎に分散させる装置です。

種類としては、以下のものがあります。

 

 

シングルモノクロメータ

 

分散素子が1つの分光器です。主に下記4種類をラインナップしています。

ラインナップにより波長分解能や波長精度、明るさなどが異なります。

 

 

ダブルモノクロメータ

 

分散素子が2つの分光器です。

シングルモノクロメータに比べて低迷光、高分解能です。

 

 

 

トリプルモノクロメータ

 

分散素子が3つの分光器です。ダブルモノクロメータに比べてさらに低迷光、高分解能です。

特注での製作実績がいくつかございます。詳しくはお問い合わせ下さい。

 

 

光学系

 

分光計器のモノクロメータの光学系は、『非対称型変形ツェルニ・ターナマウント方式』を採用しています。

一般的なツェルニ・ターナマウント方式は、多重回折による迷光が避けられませんが、非対称型変形ツェルニ・ターナマウント方式を採用することにより、この迷光を除去した明るく高分解能なモノクロメータとなります。回折格子が交換可能なため、200~25µmの広い波長範囲に使用でき、交換取付再現性も良好です

 

* M25モノクロメータより *

 

①入射スリット:光の一部をいれるための”隙間”

②コリメータ鏡(球面鏡):鏡を用いて入射スリットからの光を平行光に変える光学系

③平面鏡:コリメータ鏡からの光を回折格子へ導く為の鏡

④回折格子:光を波長毎に分散させる分散素子

⑤カメラ鏡(球面鏡):鏡を用いて回折格子から分散された光を出射スリットに集光させる光学系

⑥出射スリット:分散された光(モノクロ光/単色光)を選択して取り出すための”隙間”

⑦波長カウンタ:現在波長を表示するカウンタ

 

 

性能

 

 

 

口径比(明るさ):F

 

F=f/D 焦点距離(f)を回折格子の有効径(D)で割ったものとなります。

数値が小さいほど入射可能な光量は多く明るい分光器となります。

 

 

波長分散(逆線分散):△λ/△1=docsθ/mf

 

θ:回折角

m:次数

d:回折格子溝間隔

 

出射スリット上で1mm離れた波長差△λ/△1(nm/mm)を表します。

 

 

迷光

 

設定波長以外の波長の光の総量です。

数値が小さいほど迷光が少なくなります。

 

 

選定

 

分光器は、用途や優先順位に合わせた選定が必要です。

 

 

明るさ

 

一般的に焦点距離が短い分光器は明るく、焦点距離が長い分光器は暗くなります。

 

 

波長分散(波長分解能)

 

回折格子の本数が多いと波長分解能は良くなります。

 

分光器の焦点距離が長くなると波長分解能は良くなります。

・回折格子の本数が2倍になると波長分散は1/2となる(反比例の関係)

・焦点距離が2倍になると波長分散は1/2となる(反比例の関係)

 

 

波長領域

 

回折格子にはブレーズ波長があり、使用する波長範囲にあわせて最適なブレーズの選択が必要です。

 

関連製品

 

M10 モノクロメータ(焦点距離100mm)

  • 波長分解能:1.0nm(半値幅)
  • 波長精度:±1.0nm(順方向より設定)
  • 光学系はF=3.0と明るく、有効面積の広い回折格子を採用

 

M25 モノクロメータ(焦点距離250mm)

  • 波長分解能:0.1nm(半値幅)
  • 波長精度:±0.1nm(順方向より設定)
  • 光学系はF=4.3と明るく、有効面積の広い回折格子を採用

 

M50 モノクロメータ(焦点距離500mm)

  • 波長分解能:0.04nm(半値幅)
  • 波長精度:±0.1nm(順方向より設定)
  • 光学系はF=5.3と明るく、有効面積の広い回折格子を採用

 

M100 モノクロメータ(焦点距離1000mm)

  • 波長分解能:0.01nm(半値幅)
  • 波長精度:±0.1nm(順方向より設定)
  • 光学系はF=8.7と明るく、有効面積の広い回折格子を採用

 

M25-D ダブルモノクロメータ

  • 加分散と零分散の選択が可能

  • ダブルモノクロメータ配置の為、低迷光