光学素子 

光学素子にはミラー・レンズ・プリズム・フィルタなどがある。光学系の性能は、いろいろの要素で制限される。

 

その中でもレンズの収差(球面、非点、コマ、像面湾曲、歪曲、色)と光の回折効果が要因となる。

 

そのため、一般的にはレンズよりも色収差のないミラーを利用する。

 

1,ミラー

 

ミラーは、光を反射させるために表面に研磨した平面、もしくは曲率を持った光学素子である。

通常、高い反射率とするために、基板に銀、アルミニウム、その他誘電体多層膜などを蒸着する。

この面を基板の表面にしたものを表面鏡、反対面にして屈折面を使ったものを裏面鏡と区別する。

アルミ表面反射鏡は、基板の表面に直接アルミニウムを真空蒸着した反射鏡で、表面被膜をそのまま利用する。

また、可視域における平均反射率が90%と高く、非常にニュートラルな分光特性を示し、価格的にも銀などと比べて安価なので、通常利用される。

 

 

 

 

2,コーティング

 

フッ化マグネシウムMgF2をアルミニウム蒸着のミラーにコーティングすることにより、紫外域での反射率を増すことができる。紫外・可視・近赤外域に用いられる。

一酸化シリコンSioは、アルミニウム蒸着ミラーの表面保護膜として使用され、可視・近赤外域に用いられる。

 

 

3,レンズ

 

二つの屈折面を持ち、ガラスその他の媒質によって光を透過させる光学素子のことをいう。

曲率の形状、厚さ、媒質の屈折率などの組み合わせで、光線束を収束、もしくは発散させる機能を持ち、物体の実像もしくは虚像を作る。

屈折率の異なる二種類の物質の境界面における屈折後の光線の方向はスネルの法則で求められる。

 

 

4,光学ウィンドウ

 

光学ウィンドウはある環境と他の環境を分離し、両者の間に光を透過させる用途に広く使用される。

また、使用目的に応じた物理特性、化学特性、光透過率などを考慮しなければならない。

 

ホウケイ酸ガラスBK7は、主に可視、近赤外領域用として窓材などに使用される。

物理特性、化学特性に優れている。均一性に富みバブルや含有物の少ないガラスである。

 

石英SiO2は、主に紫外と赤外領域用として窓材などに使用される。

 

フッ化カルシウムCaF2は、170nm~7.8μmの波長域で透過特性に優れている。

多少の水溶性があり、熱衝撃を受ける(急激な温度変化で割れる)可能性がある。

 

臭ヨウ化タリウムKRS-5は【TlBr(45.7%)+TlI(54.3%)】、臭塩化タリウムKRS-6は【TlBr(29.8%)+TlCl(70.2%)】の組成を持つタリウムハライドの混晶である。KRS-5は45μm、KRS-6は26μmまでの赤外領域を透過するので、赤外領域用の窓材などに使われる。水やアルコールに多少溶けるので注意を要する。

 

フッ化マグネシウムMgF2は110nmの真空紫外から7.5μmの赤外領域でのプリズム、ウィンドウとして用いられる。

バンドギャップが広いのでエキシマレーザ用窓材として適している。紫外域での偏光素子としても有用である。